TVアニメ『ACCA13区監察課』公式サイト
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TVアニメ『ACCA13区監察課』
全12話オールナイト上映会レポート

2020年1月25日、東京・新宿ピカデリーにてTVアニメ『ACCA13区監察課』全12話オールナイト上映会が開催され、上映前にトークショーが行われた。登壇者は夏目真悟監督、脚本・シリーズ構成の鈴木智尋さん、ジーン・オータス役の下野紘さん。『ACCA』のイベントで、スタッフとキャストが一緒にファンの前に立つのは今回が初めてのこと。やや緊張気味なスタッフコンビの隣で下野さんも「僕も緊張してきました」と苦笑いしつつ、早速トークコーナーが始まった。

まず振り返ったのは、TVアニメの制作がスタートした当時のこと。オノ・ナツメ先生の原作の印象について、夏目監督は「エンターテイメント要素があり、映像向きな作品だなと感じました」、鈴木さんは「会話劇としてセリフが印象的で、洒脱で好きな作品だなと思いました」と語る。

一方の下野さんは、これまで自身が演じてきたキャラクターとはイメージが違うジーンについて、オーディションを受けた段階から「俺じゃないかも」と思っていたことを語る。そのため、音響監督のはたしょう二さんから役に決まったと伝えられた時、ジーンのことをすぐに思い出せなかったというエピソードを打ち明けた。
そこから「自分の中にない何かを引き出していかないとジーンはできないぞ」と思いながら、第1話の収録に挑んだという下野さん。『ACCA』ではジーンとニーノのみオーディションで決められたが、夏目監督はキャスティングについて、二人の関係性が軸になる作品なので声のバランスも意識したこと、その上で下野さんの声にスムーズに決まったことを語った。

また下野さんによると、収録現場では他のキャスト陣から「うるさくない下野紘」と言われていたとのことで、その裏話に客席から笑いが起こる。自身としては、それまで大人の役がまったくなかったわけではないが、ここまで寡黙なキャラクターはジーンが初めてだったので、声優としての新しい引き出しが広がったキャラクターはジーンだと語った。

そんな『ACCA』の収録現場について、夏目監督が印象に残っているのは「いい声だらけでマイナスイオンがいっぱい出ている」と感じたこと。下野さんは収録後にスタッフ、キャストで誘い合ってランチに行き、みんなでひとつの作品を作っている雰囲気を感じていたことを振り返る。鈴木さんはスタジオが常に差し入れのお菓子でいっぱいだったことを挙げるが、もうひとつの思い出は、ニーノ役の津田健次郎さんが担当していた予告編のナレーション原稿を、本編収録時に考えたり直したりしたこと。津田さんの芝居を見ながら、その場のインスピレーションで仕上げていたと明かした。

そうした制作秘話などを語りつつ、後半はファンから募集した質問に答えるコーナーへ。以下のような質問に答えていった。

Q. 5長官の中で上司にするとしたら誰を選びますか?

夏目監督 パスティス。貴族であまり細かいことを気にしなさそうだから。
鈴木さん スペード。わかりやすくて裏表がなく、懐に入ってしまえば仲良くなれそう。
下野さん パイン。表向きは一番おおらかで朗らかで、怖くなさそう。

Q. 13区の中で住みたい区はどこですか?

夏目監督 釣りが好きなのでペシ区。地図で見ると、いい潮が流れていそうだから。
鈴木さん ジュモーク区。程々に全部いい。バスウッドに憧れる。でも、家具は大きくて住みづらいかも…?
下野さん ハレ区。何も考えてなさそうな雰囲気が好き。陽気な感じがいいなと思います。

Q. OPが大好きなのですが、どういう経緯であのような映像になったのでしょうか?

夏目監督 リンゴのケーキやカメラとか、シリーズのキーになるアイテムをOPに散りばめておいて、話数が進むごとにその意味が分かっていく。そうすると最終話まで新しい発見があってよりOPを楽しめるかなと思い、こういう要素を仕込みました。色彩や絵の雰囲気はアメリカの60年代や70年代の広告テイストを意識しています。高橋諒さんのカッコいい音楽とも相まって良いOPになりましたね。

Q. サブタイトルについて、原作から取り入れた部分や、アニメ独自の視点を反映させたところなどを教えてください。

鈴木さん 第1話はジーン、第2話はそれに呼応するニーノのタイトルとして考え、第3話以降は各話の軸となる物語に合わせて決めていきました。オノ・ナツメ先生のワードセンスも意識して、頭をひねりましたね。最終話に関してはシナリオ会議でみんなで案を出しつつ、最後は夏目監督の「鳥の行方」で決まりました。

そして、これも『ACCA』のイベントでは初のプレゼントコーナーへ。賞品は夏目監督、鈴木さん、下野さんのサインが入ったTVシリーズのアフレコ台本13冊と、全12話を収録したCOMPACT Blu-ray。それぞれが3人によって抽選され、当選者に贈られた。
さらに告知コーナーでは、2月14日から開催されるOVAの1週間限定上映会や、2月16日に開催される朗読音楽劇『ACCA13区監察課 Regards』1日限定上映会のお知らせ、3月27日発売のBlu-ray&DVD特典情報、OVAのクリエイターズブック発売など関連情報が紹介された。

最後に、これからオールナイト鑑賞に臨む観客へ3人からメッセージが。下野さんは「オールナイトで『ACCA』の世界を存分に味わっていただきつつ、TVシリーズは新作OVAや朗読音楽劇にも続いていくので、そちらも楽しんでいただけたらと思います」、鈴木さんは「TVシリーズから3年経って、まだこんなにファンの方に来ていただけて、改めて『ACCA』という作品に携われたことを嬉しく思っております」、夏目監督は「OVAの上映会もたくさんの人に観ていただけて、作品が愛されているなと感じました。いろんなスタッフの情熱の上に成り立っている作品なので、皆さんに応援していただけて素直に嬉しかったです。これからも『ACCA』にお付き合いいただけたらと思います」と語り、トークショーは幕を閉じた。